Brad Pitt Wins Best Supporting Actor - 2020 Golden Globes
1月5日付けのブログでゴールデングローブ賞について書きましたが、今日は助演男優賞、又の名を Best Supporting Actor を受賞した ブラッド・ピットさんのスピーチからいくつかセリフを抜き出してみました。 読まれてない方はそちらのブログを先に読んでみてください。 ちょっとだけ関連づいているところがあるので、読んでいるとちょっとしたジョークがわかると思います。
ところで、ブラッド・ピットさんは息の長い俳優さんですね。 昔からHearthrob (かっこいい男の人) で大人気でしたが、未だにクールで演技もうまくて、全てがそろった方ですよね。 このブラッドさん、けっこう受賞してそうですが、意外にもゴールデングローブの受賞は今回を含めて2回目だそうです。 1996年に、 Twelve Monkeys で助演男優賞を、2020年で、Once Upon A Time in Hollywoodで同じく助演男優賞を獲得です。 私はまだ Once Upon A Time In Hollywood は見ていませんが、スピーチではブラッドさんも感謝の気持ちを伝えていましたが、タランティーノ作のヒット映画です。
それではさっそく、受賞が発表されステージにあがり、マイクに向かうところからいきましょうか。
まず最初に発した言葉、
HOLY MOLY!!! (0:01)
聞いたことありますか? これは、驚いた時や、ウソでしょ〜⁉︎、マジで〜⁉︎ などの気持ちを表現したい時によく使われています。 これ以外にもよくなじまれている言葉は、
Oh my God!
Oh my Goodness!
Oh, Lord!
Oh, boy!
Oh no!
Are you kidding me?
Holy cow!
など、キリがありませんが、いろいろあります。
そして、
Thank you to the eclectic and ever raucous Hollywood Foreign Press Association. (0:14)
実はちょっとしたジョークが入っています。 1月5日のブログで、ヴィーガン料理を出すと決定したHollywood Foreign Press Association (以下HFPA) のコメントを和訳でも紹介したと思いますが、 大胆でいろいろなアイデアや環境保護などを考慮するHFPAに対し感謝している内容です。 Eclectic 多方面にわたる、種々の材料を吟味する、折衷的な、などの意味があるようですが、
ever raucous は 騒々しい、耳ざわりな、という意味。 2つをくっつけて
いろいろなことを吟味するが意外にうるさいHFPAに感謝します。
ということを言っています。 意外にうるさい、とは、環境保護のためにゴールデングローブの食事をヴィーガンにするというこだわりぶりのことを示しています。 活動家達、動物愛護がゴールデングローブにいろいろ反対運動をする前に “Politically Correct” “政治的に間違ってないやり方” をゴールデングローブ主催者 HFPAは取り入れました。 ブラッドさんはそのことを少しからかっているわけです。
次は、
I also have to thank my partner in crime, LDC. (1:03)
突然略語で正式に名乗っていませんが、誰のことだかわかりますか?
My partner in crime
もよく使われています。 パートナーの事をおもしろおかしく言っているわけですが、もともとは犯罪を加勢し合うもの同士のことを言います。 例えばボニーとクライド。 1930年代に起きた世界大恐慌の頃、アメリカで有名な犯罪者のカップル Bonie and Clyde は実話通り Partners in crime ですが、ブラッドさんの場合はこの映画での共演者のことを言っています。 よく見たらわかりやすいですよね。 そう、
Leonardo DiCaprio
のことです。略して LDC。
要するにいっぱい企んで映画に励んだ結果ブラッドさんが賞を取ったので共演者で同じく大スターのレオにも感謝をしているわけです。
I know why he's an all-star. He's a gent. And I wouldn't be here without you, man. I thank you. (1:19)
どちらも大物ハリウッドスターですが、謙虚に共演者に感謝するブラッドさん。 レオに対して、彼はオールスターで、紳士だ、とも言っています。ここではジェントルマンの略語、Gent を使っていますが、ジェンツ、と発音します。 日本語と一緒で英語の口語もやたらと略語が多いです。
… And I wouldn't be here without you, man.
君が共演していなければ僕はこのステージで賞をもらえていないぜ。
ここで出てくる man は、口語で言う 〜だぜ、みたいな男っぽい言い方です。 語尾につけることが多いです。 男性に限らず、女性も使えますが男勝りっぽい言い方になるので、ハキハキしてあっさり度を出したいときに使う女性が多いようです。 男性っぽくカッコよく話したい時とかにも使う女性も多いですが、現代の英語圏ではジェンダー意識がもっと薄れてきていますので、男だから、女だからとそこまでこだわることもないと思います。
And I want to say hi to my folks, 'cause...Hey!
...I wanted to bring my mom but I couldn't because any woman I stand next to, they say I'm dating, and ... it'll just be awkward. (2:04)
前から思ってたのですが、ブラッドさんはこんな感じのクールな映画大スターなのに、さらっと流す彼のジョーク、すっごくおもしろく感じます。 すごく笑いにもセンスがある方だと思います。
Folks は自分の家族のこと。 フォークソングとかいいますよね。フォークは人のことをさしますが、My folks のように My がついて複数系になることで “私の家族” という言い方になります。
私がおもしろいと思った箇所は、
“お母さんを連れてきたかったけど、自分の隣に立つ女性はどの人でも付き合ってる女性、とメディアが言ってくるので、へんな雰囲気になるので連れて来れなかった”、
というところです。 そしてなぜか、ブラッドさんがそのことを言っている時、カメラは元奥さんのジェニファー・アニストンさんのテーブルを映し出し、彼女の顔が映ったところで一時停止します。 これもちょっとふざけたメディアがいつも仕向けるジョークなのでしょう。
最後に締めくくった言葉ですが、ここでもさりげなく彼の人情を出しています。
…Hey! If you see a chance to be kind to someone tomorrow, take it. I think we need it. (2:23)
やはり役者ですね〜。本ゼリフがかっこいいです。 そしてすぐそこの場面で退場するのも彼っぽく決まっています。
“ヘイ! 明日、誰かに優しくするチャンスがあればチャンスを生かせ。 そういうのって必要だと思うよ”
take it の it は、 a chance のことです。 こう言う行動を
random act of kindness
ともいいます。 特に目的はないけど、ただ親戚に、人に優しく接する、ということを言います。 例えば、ホームレスの人にそっと食べ物を渡すとか、街で見かけた困った人を助けるとか。一度スタバのドライブスルーで注文したものを払おうとしたら、スタバのお姉ちゃんに、前の人が払ってくれました、と言われたことがあります。 はっ??? と戸惑ってしまいましたが、じゃ、私も続けようと、次の人の分払います、と random act of kindness に参加しました。 誰も知らない他人なんですが、するととても気持ちよく感じました。
そう言うことさりげなく言ってステージを去っていくブラッドさん。 素敵ですね。 助演男優賞、おめでとうございます!
以下はスピーチのビデオクリップです。 セリフで抜き取った箇所はセリフの横に分数をつけてるので、そこに戻ってリスニングの練習をすることもお勧めします。 大俳優、ブラッド・ピットさんから使える英語を学んでみてください。
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